FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[タグ未指定]

夏を生き抜く アルベニス「イベリア」 ~ 12の新しい印象。


339.jpg 340.jpg

DISC1
アルベニス:「イベリア」~12の新しい印象
 第1集(1906):エボカシオン、港、セビーリャの聖体祭
 第2集(1906):ロンデーニャ、アルメリーア、トゥリアーナ
 第3集(1907):エル・アルバイシン、エル・ポロ、ラバピエス
 第4集(1908):マラガ、へレス、エリターニャ

 ジャン=フランソワ・エッセール(ピアノ)
 Rec. 1993 ERATO



■ 夏を生き抜く。

今日は新しく入手したボックスセットからの1枚。

Warner Classicsがオリジナルジャケット仕様の紙ケースに入れてくれる素晴らしいボックスセットのシリーズから、フランスの名手、ジャン=フランソワ・エッセールが90年代にERATOへ残したスペイン・ピアノ作品集が出た!

6枚組でCD1がアルベニスの「イベリア」と、CD2と3がグラナドスの「スペイン舞曲集」「ゴイェスカス」ほか、CD4がファリャのピアノ作品集、CD5はモンポウ、CD6はロペス=コボス指揮ローザンヌ室内管と共演したファリャの「スペインの庭の夜」などを収めた一枚。

まさに宝石箱ともいえる内容で、まだまだ酷い暑さの日本2018を生き抜くための、素晴らしい贈物♪


■ アルベニス、そしてペドレルとスペイン国民楽派。

       Albeniz.jpg


勝手な印象だけど、アルベニス(Isaac Albéniz i Pascual, 1860-1909)は「名前はよく訊くけれども、詳細については良く知らない作曲家」の代表のような人じゃなかろうか。調べてみると、アルベニスはライプツィヒ音楽院やブリュッセル王立音楽院で学んだ後、1883年に教師で作曲家のフェリペ・ペドレルという人物に会っている。このペドレルという人物が、グラナドスの場合もそうだけれども、どうやらスペイン近代音楽に重要な影響を与えたらしい。

フェリペ・ペドレル・サバテー(Felipe Pedrell Sabaté, 1841-1922)はスペイン国民楽派の父とも呼ばれた人物で、ローマの古文書館でスペイン音楽の伝統に目覚めたのち、スペインの国民様式を確立することを目標に活躍し、ビクトリア作品全集の刊行という業績もある。

ペドレルの作品は現在では聴く機会が皆無といっていいけれども、アルベニスやグラナドス、ファリャといった人たちが自国の音楽の魅力に開眼したのは彼の影響があるようだ。


■ 近代音楽史に輝く傑作。

1890年代はパリやロンドンに住んで劇場作品を書いていたアルベニスは、1900年に病気を患い、ピアノ作品を手掛けるようになる。そして出来上がったのが、1906~1908年に書かれたピアノ作品、「イベリア」~12の新しい印象

これはドビュッシーやメシアン、ラヴェルといった時代を作った超大御所たちに絶賛されたらしい。

曲は一聴すれば明らかなように、かなりピアニスティック。けれども、同時に交錯するスペインのリズムと音階が、無限の情緒を聴き手の心に呼び起こす。ドビュッシーが「あまりに豊かなイメージに、くらんだ目を思わずとじてしまうほど」といって絶賛したように、絵画的な色彩感が非常に強い。この2つが同居しているところが、名曲たるゆえんだろうか。

おそらく、この曲はドビュッシーの前奏曲集(1909~1913)に影響を与え、音でイメージを喚起するという印象派やその後の音楽史に(間接的にでも)多大な影響を与えたことでしょう。まさに近代音楽史に輝く傑作。

 *   *   *


けれども不思議なもの。僕はスペインには行ったことがないし、テレビで見るほどのイメージしか持ち合わせてないけれども、この音楽を聴けば、ちゃんと ふりそそぐ太陽や青い海、ちょっと異教的な匂いなんかが思い浮かぶ。これがまさに記憶、情緒、心象といった「エボカシオン」だろうか。音楽の力すごい。


にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

▼Isaac ALBENIZ - IBERIA (Jean-François Heisser, piano)



関連記事
スポンサーサイト

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ピリオド楽器によるウェーバー。 ~ クラリネット五重奏曲ほか♪


 337.jpg

カール・マリア・フォン・ウェーバー:
1. クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.32, J.182
2. 舞踏への勧誘 Op.65, J.260
3. フルート三重奏曲 ト短調 Op.63, J.259

ファン・ズウィーテン・ソサエティ
 バルト・ファン・オールト(フォルテ・ピアノ, 2, 3)
 マリオン・ムーンアン(フルート, 3)
 フランク・ファン・デン・ブリンク(クラリネット, 1)
 イゴール・ルカーゼ、フランク・ポールマン(ヴァイオリン)
 ベルナデット・フェルハーゲン(ヴィオラ)
 ヨフ・テル・ハール(チェロ)
 QUINTONE Rec. 2008 ルター教会、デーフェンテル 




■ 春はあけぼの、夏は室内楽。

暑すぎる。出掛けるのがおっくうすぎる。そしてせっかくの休みも何もしないまま過ぎ去っていく。

こんなときはシンフォニーとか全然聴く気にならないし、聴いたとしても「右から左へ受け流す~♪」だし、ムーディ勝山のブレイクは2007年で11年前だし、マジ半端ねぇ・・・。

というわけで、お盆休みをとった今日は勇気を振り絞って新宿のディスクユニオンへ。いまどきCDとか言われそうだけど、知らないものとか探してたものを見つけると、ときめいてしまうのですよ。

その収穫のうちのひとつが今日の一枚。古楽大国オランダの名手たちによる室内楽アンサンブル、ファン・ズウィーテン・ソサエティによるウェーバーの室内楽集。一見地味そうだが、これがまた!


■ カール・マリア・フォン・ウェーバー。

    CMWbr.jpg


ウェーバー(Carl Maria von Weber, 1786-1826)にインスピレーションを与えたクラリネット奏者のベールマン(Heinrich Joseph Baermann、1784 - 1847)については、「ロマンティック・クラリネット♪とライネッケの憂鬱。」でちらっと触れた。

むしろウェーバーの方が以外によく知らない。

いとこであるコンスタンツェがモーツァルトに嫁いだとか、「ドイツ・オペラを根付かせた」といった功績は語られるものの、実際の彼の生涯はよく知らないし、作品といえば「魔弾の射手」と「舞踏への勧誘」くらいしか話題にならない。というわけでWikipediaに訊いてみる。

 *   *   *

彼は1786年の生まれ。小児麻痺だったとも言われているらしい。父が劇団を結成したおかげで幼少期にドイツやオーストリアを旅したとか。モーツァルト流に言えば、旅は人を育てる、のか。

ザルツブルクやウィーンで学んだ後、指揮者としてデビュー。ドイツ各地を渡り歩き、1817年にザクセンの宮廷楽長に就任し、ドレスデン歌劇場でドイツ語のオペラをさかんにとりあげ、ドイツ・オペラの礎を築いた。

20歳の頃に硝酸をワインと間違えて飲み声を失うなど、健康には恵まれなかったようだ。「オベロン」を振りに客演したロンドンで結核により死去。享年40歳という若さだった。


■ ピリオド楽器でウェーバーの魅力を再発見。

ファン・ズウィーテン・ソサエティ(Van Swieten Society)はBrilliant Classicsのモーツァルトのソナタの録音などが名高いフォルテ・ピアノ奏者のバルト・ファン・オールト(Bart van Oort, 1959)を中心としたピリオド楽器使用による室内楽アンサンブル。


   338.jpg


クラリネット五重奏曲でソロを吹くのはフランク・ファン・デン・ブリンク(Frank van den Brink, )。彼は20歳でオランダ・フィルの奏者になり、現在もオランダ放送フィルのポストを維持している"モダン"使いでありながら、インマゼールの古楽オケ、アニマ・エテルナの奏者も務めるピリオド=モダン両刀派のスーパークラリネット奏者。

ウェーバーの音楽はメンデルスゾーン的な"器用さ"がありながら、自己の能力に耽溺せず、常に聴き手を楽しませようとする"愛想のいい曲想"が最高だが、このクラリネット五重奏曲でもその美質はいかんなく発揮されている。

第一楽章のうきうきしたテーマ、感情の揺れ動く繊細なアダージョはいずれも素晴らしいし、ギャロップのリズムが印象的なフィナーレと、どれをとっても楽しい。ファン・デン・ブリンクの技巧は申し分ないし、弦楽のすっきりした音とモダン楽器より低音に広がりを感じるクラリネットとの調和もいい。室内楽の楽しみ堪能できる♪

それにつづく舞踏への勧誘はフォルテ・ピアノの温かい響きではじまり、とても印象的。

さらに最後のフルート三重奏曲も力作でなかなかに魅力的。ハーゼルツェットに学び、アムステルダム・バロック管弦楽団などで活躍するマリオン・ムーンアン(Marion Moonen)の影を感じさせる響きから清冽な響きまで使い分けた演奏も素晴らしい。

ウェーバーにはまだまだ素晴らしい音楽がたくさんある。なんだか楽しみになってきたぞ♪


にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

▼Weber - Clarinet Quintet in B-flat major, op. 34 / Festival Mozaic 2016



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ジョヴァンニ・ボッテジーニ ~ 3弦コントラバスのパガニーニ!


 335.jpg

ジョヴァンニ・ボッテジーニ
 ・協奏的大ニ重奏曲
 ・弦楽のためのアンダンテ・ソステヌート
 ・クラリネットとコントラバスのための二重奏曲
 ・大協奏曲嬰へ短調

 トーマス・マーティン(コントラバス)
 ホセ=ルイス・ガルシア(ヴァイオリン)
 エマ・ジョンソン(クラリネット)
 アンドリュー・リットン指揮 イギリス室内管弦楽団
 Rec. May, 1986 NAXOS(ASV原盤)




■ コントラバス・ブームと彼の出自。

実は最近、コントラバス・ブームが起こっている。どこで? 僕のなかで。

きっかけはYouTubeで偶然にエドゥアルド・トゥビンの協奏曲やニーノ・ロータのディヴェルティメント・コンチェルタンテに出合ったから。これらは本当に魅力的な作品だ。

それで少し調べてみると、コントラバスのための作品というのは多くはないものの、そこそこある。

そもそもコントラバスはヴァイオリン属ではなく、ガンバの一種であるヴィオローネが直接の先祖だそうで、Wikipediaによれば「バロック期後半頃からチェロの影響を受けて次第にヴァイオリン属との融合が進」んだんだそう。

前古典派のディッタースドルフやヴァンハルにもコントラバスのための協奏曲があり、そしてベートーヴェンはもちろん、モーツァルトやハイドンの初期の作品でさえしっかりとオーケストラの編成に加えられている。

ということは、近代的なオーケストラの誕生と共にその編成に加わった、といっていいかもしれない。


■ 3弦コントラバスのパガニーニ。

    Btsni.jpg


オーケストラを縁の下から支える存在。派手ではないけれど、いないと困る。そんな"いい人"だけど、いつも損をしてしまうようなキャラクターだったコントラバス。そんな彼にも、19世紀になると1人のカリスマが現われ、ひと時だけれど脚光を浴びることになる。

彼の名はジョヴァンニ・ボッテジーニ(Giovanni Bottesini, 1821-1889)。

彼はコントラバスのヴィルトゥオーゾとしてだけではなく、器楽曲からオペラまで手がける作曲家として、そして指揮者として活躍した。

演奏家としてはヨーロッパはもとより、アメリカに渡って演奏を行い、各地で熱烈な成功を収めた。

写真をみるとわかるけれど、彼の楽器は3弦。そもそも3弦のコントラバスがあることを知らなかったけれど、当時は響きがいいとして長く愛好されていたらしい※1。また彼は演奏法にも革命をもたらし、フランス式運指法をはじめてコントラバスに適用したことでも有名なんだとか※2。まさにコントラバスのパガニーニ。


▼Double bass bow: French or German?




■ コントラバスの限界をつきやぶる傑作たち!

指揮者としてのキャリアのハイライトは、ヴェルディの「アイーダ」の世界初演でタクトをとったことでしょう。そして作曲家として、オペラに至る様々なジャンルに作品を残したが、やはり重要なのはコントラバスのための作品。

彼のイチバン有名な作品のひとつとされているのが、「ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的大ニ重奏曲」。これはヴァイオリンとコントラバスが弦楽オケをバックに、技巧的なパッセージを交わす、イタリアらしいアマービレな曲調の佳作。

はじめてこの曲を聴いた時、途中(下の動画だと8:28~)でヴァイオリンのメロディーのうしろで面白い音がするので「はて?なんの楽器だろう」と思って動画で確認したら、なんとコントバラスが一生懸命ものすごいハイトーンを弾いていてびっくりした。

これはちょっと"弦楽器らしからぬ音"と感じたので、楽器の可能性をここまで広げるとは!と感心してしまった。

大協奏曲嬰へ短調コントラバス協奏曲第1番とも呼ばれるもの。円熟期の作品で、オーケストラがやや大規模になって管も入っている。コントラバスはここでも高音から低音まで縦横無尽。その多彩さに圧倒される。

コントラバスはその音自体に包容力があるし、それがイタリア人ボッテジーニの美しい旋律の音楽とあいまってとても楽しめる。

まだまだコントラバスの音楽はいろいろあるようなので、これからが楽しみ。またひとつ、宝箱を開けてしまった♪


にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村

※1:http://www.e-digitalpark.com/music/instrument/contrabass.html
※2:Wikipedia「ジョヴァンニ・ボッテジーニ」

▼Bottesini: Gran duo concertante - Concertgebouw Kamerorkest



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

プロフィール

ぺぇたぁ

Author:ぺぇたぁ
“いつも新しい“クラシック音楽の豊かな森を探検するブログ♪埼玉在住・86年生まれの会社員が古楽から現代音楽まで、
名曲・名盤から秘曲までを楽しみます♪動画、ライヴ音源、視聴も。

カレンダー(月別)
10 ≪│2018/11│≫ 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
twitter
おすすめネット配信♪
recommend。
カテゴリ
タグ

オーケストラ 20世紀の音楽 ピアノ バロック 交響曲 声楽アンサンブル・合唱 近代フランス音楽 ヴァイオリン ロマン派 バッハ 古典派 トランスクリプション 北欧 東欧 チェロ ロシア ピリオド楽器 教会音楽 モーツァルト 管楽器 ベートーヴェン バレエ 弦楽四重奏 クリスマス フランス・バロック マーラー 国民楽派 シューベルト クラリネット バロックオペラ 新古典主義 ギター リュート 初期バロック歌曲 近代イギリス音楽 歌曲 レクイエム 現代音楽 オペラ ドビュッシー 邦人音楽家 ルネサンス・ポリフォニー 4手・連弾&2台ピアノ トラッド/フォーク ブルックナー リコーダー フルート ブリテン オーケストラ歌曲 チェンバロ/クラヴサン/ハープシコード オルガン ヴィオラ 新ウィーン楽派 イギリスの音楽 アメリカの音楽 ガンバ/ヴィオール ラテン系 前古典派 パーカッション 中世の音楽 復活祭 ピアノ・トリオ カウンターテナー/カストラート アコーディオン ラテン ジャズ 劇音楽 クロスオーバー トランペット 弦楽合奏 ハープ 映画音楽 コントラバス 音楽史 交響詩 トロンボーン スペインの音楽 

検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。