ラファエラ・グロメス ~ セレナータ・イタリアーナ♪


今日はヨーヨー・マも絶賛するチェリスト、ラファエラ・グロメス(Raphaela Gromes)のソニーへのデビュー盤です。

最近ちょっと涼しくなって、夏の終わりを感じてすこしテンション下がり目なときにあつらえたように、青空を感じさせる「イタリア」をテーマにした1枚となっております♪




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・フェルッチョ・ブゾーニ:セレナータ Op.34, BV.196
・マルトゥッチ:チェロ・ソナタ 嬰ヘ短調 Op.52
・カゼッラ:タランテラ Op.54-2
・シニガーリャ:ロマンスとユモレスカ Op.16
・カピュイ:アニマート・コン・パッシオーネ
・カステルヌオーヴォ=テデスコ:ロッシーニの『セヴィリャの理髪師』からの
 「町の何でも屋に」によるパラフレーズ
 ラファエラ・グロメス(チェロ)&ユリアン・リーム(ピアノ)
 Rec.July 2016 Sony Music Entertainment Germany





■ デビュー盤と魅力適すぎるプログラム♪

グロメスはドイツで学び、2012年にはリヒャルト・シュトラウス・コンクールで優勝。ドイツを中心にシュレスヴィヒ=ホルシュタインなど各地の音楽祭への客演など活躍の場を広げています。

そんな彼女が天下のソニーへのデビューに選んだプログラムは、「セレナータ・イタリアーナ」と題した近代イタリア作品集。

近代イタリアではレスピーギをはじめとした人たちが、自国のオペラ偏重を歎げいて器楽音楽の復興を図ったわけですが、今日のアルバムは聴いた事がある曲が1曲もなかったので!すごい楽しみにして聴きました。



■ イタリアの青♪

CDをかけると、冒頭から期待した通りの、ほのかなメランコリーをふくんだ、豊かな旋律が流れてくる♪

ブゾーニ(Ferruccio Busoni, 1866 - 1924)のセレナータですが、あんなこわい顔しててよくこんな愛らしい音楽がかけるなぁ・・・と感心してしまった。ブゾーニはコスモポリタンなイメージが強いけれど、やっぱり根はイタリア人なんでしょう。


指揮者としても功績大のマルトゥッチ(Giuseppe Martucci, 1856 – 1909)のソナタは全曲で30分近くかかる大作。

グロメスも書いているように、4楽章構成でブラームスを手本にした本格的な作品。短調を基調にしているのに、どこか旋律のはしばしにイタリア的な明るさを感じてしまう・・・。先入観持ちすぎなのか?

そうはいっても、さらにカゼッラ(Alfredo Casella, 1883 - 1947)のタランテラのなかにも、どこか陽気な、太陽のゆらめく海を感じてしまうのです・・・うーん、いいっ♪




■ 知られざる珠玉の小品たち。

つづくシニガーリャ(Leone Sinigaglia, 1868 - 1944)とカピュイ(Matilde Capuis 1913 – 2017)という作曲家は名前すら知りませんでした。

シニガーリャは著作が今でも山岳文学の古典として読まれるなど登山家としても名を成した人で、若い頃にブラームスやドヴォルザークと親交を結んだそうです。

カピュイは今年2017年の1月に104歳でなくなったイタリアの女性作曲家、教育者。ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で長らく指導したようで、室内楽ではチェロのための作品を多く書いたんだそう。

カピュイの作品はその名の通り情熱的な曲想が印象的。逆にシニガーリャの2つの小品は僕が思い描く「美しいイタリア」をそのまんま音楽にしたかのようなに美しい!


最後のカステルヌオーヴォ=テデスコ(Mario Castelnuovo-Tedesco, 1895 - 1968)はかつて"歌"でヨーロッパの天下をとった偉大なる先人、ロッシーニの『セヴィリャの理髪師』からの「町の何でも屋に」によるパラフレーズ! 文句なしに楽しい♪


グロメスの確かな技巧と、ユリアン・リームとの息の合ったアンサンブルで秋の"ちょっぴりブルー"を吹き飛ばす魅力的すぎる1枚。イタリア万歳! またひとり、注目の演奏家が増えました♪


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▼Cello nightmare


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失われた夜の歌。 ~ シューベルトの合唱曲集


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シューベルト:
森の夜の歌D.913*/墓と月D.893/ゴンドラ漕ぎD.809/
詩篇第23番「主はわが羊飼い」D.706/昔を今にD.710/コロナッハD.836/
夜の明りD.892/夜D.983c/セレナードD.920/水上の精霊の歌D.714*/雷雨の中の神D.985
 RIAS室内合唱団/ブリギット・レンメルト(A/ D.920)/ウェルナー・ギューラ(T/ D.710, 892)
 フィリップ・マイヤース(フォルテピアノ, ウィーン1825年頃製)
 *シャロウン・アンサンブル/マルクス・クリード(指揮)
 Rec.1997-1998 harmonia mundi france




◆夜の歌。

先日harmonia mundiからリイシューされたのは、合唱指揮の第一人者のひとりマルクス・クリード(Marcus Creed)とRIAS室内合唱団による1枚。シューベルトの合唱曲集のうち、「夜」にまつわる音楽を集めたもの。


このCDを聴いていると、はやりシューベルトは声楽のジャンルで傑作が多いなぁと感心しながら、その音楽の美しさにうっとりします♪

合唱の質の高さは期待通りで、透明感やアンサンブルの素晴らしさもさることながら、その詩情の素晴らしさがシューベルトにはうってつけ。

さらに嬉しいのはピアノ伴奏もフォルテピアノで行われているという念の入れようで、当時シューベルトもこんな演奏を聴いたんだろうと思いを馳せてしまいます。

弦楽伴奏が付き、ゲーテの詩と共に深く深くへ沈んでいくかのような有名な「水上の精霊の歌」D.714や、対称的にどきどきするようなテンポで「起きていて leise」と繰り返されるシューベルトのもうひとつの「セレナード」D.920もともても美しい。



◆眠るにはあまりにも美しすぎる

けれど、いちばん印象に残ったのは最初に収められた「森の夜の歌」D.913でした。これは角笛を模したホルンに導かれて、「夜は、とりわけ森の夜はあまりに美しく、眠ってしまうことはできない」と歌われます。


  枝々の葉を白銀に染めて 盃を浮き出させ
  月明かりをぶらさげた様は 草屋の灯り

  さらさらと吹くそよ風は君の言葉 綾なす光は君の髪
  君の口が柔らかく触れるものだけ 目を伏せ 眠りにつく


かつて、どれだけ多くの芸術家が"夜"と"森"からインスピレーションを受けたことでしょう。

葉を揺らす森のそよ風に、月明かりを灯す葉の滴・・・。

僕たちは科学技術が進歩して、昔より格段にいろんなものを手に入れたと思っていますが、意外と失ったものも多いのかもしれない・・・なんて思ってしまいます。

素晴らしい名盤です。


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▼Nachtgesang im Walde D913


▼Franz Schubert, Ständchen (Zögernd leise) D920


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フロリレジウムの花咲けるテレマン。


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 テレマン:
 ・協奏曲ホ長調 TWV.53:E1(fl、obダモーレ、vaダモーレ、strings、通奏低音)
 ・協奏曲イ短調 TWV.52:a1(rec、gamba、strings、通奏低音)
 ・カンタータ『諸国の民よ、聞け』 TWV.1:921
 ・協奏曲ニ長調 TWV.51:D2(fl、strings、通奏低音)
 ・4声の協奏曲イ短調 TWV.43:a3(rec、ob、vn、通奏低音)
 ・序曲 ヘ長調 TWV.55:F16(ダルムシュタット方伯のための)(hr×2、fg、strings、通奏低音)
 クレア・ウィルキンソン(メゾ・ソプラノ)
 フロリレジウム
 アシュリー・ソロモン(ディレクター、フルート、リコーダー)
 Rec.May 2015 Channel Classics




┃フロリレジウム25周年。

今年はテレマン(Georg Philipp Telemann、1681 - 1767)の没後250年。バッハに比肩されるバロック時代の巨人にしては扱いが小さすぎる感があるが、そこそこの数のCDがリリースされている。今日はそんな中から1枚。

イギリスの古楽アンサンブル、フロリレジウム(Florilegium)が昨年リリースした協奏曲集。

フロリレジウムは1991年の結成で、昨年が25周年にあたっていた。創立者で現在もリーダーを務めるフルート&リコーダー奏者のアシュリー・ソロモン(Ashley Solomon)のほか、フレットワークをはじめとするイギリス古楽界で活躍するガンビスト、市瀬礼子(Reiko Ichise)も参加している。


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┃生き字引、優美なるバロック。

CDをかけると、まずその優しく穏やかな響きに魅了される。

テレマンがバッハと違うところのひとつは、管楽器の協奏曲を数えきれないほど作曲していること。テレマンは信じられないほど多作で、作品総数は4000ともいわれるので、バッハとはそもそも協奏曲の絶対数が違い過ぎるけれど、バッハにはわずかしかない管楽器のためのコンチェルトが、それもきわめて質の高い作品がわんさかあるというのは、バロック音楽ファンにはたまらない♪ 拝みたくすらなる。

またオペラ、教会音楽、コンサート作品と様々なジャンルの音楽を書き、ポーランドなどの民族音楽からロココ趣味まで多彩な作風を示したテレマン。

バッハが古様式からロココ趣味までの"時系列の音楽形式"の生き字引だったとすれば、テレマンはバロックの終わりという"ある一時代におけるあらゆるスタイル"の生き字引だったと言えるのかもしれない。

そして市民を相手にした彼の音楽は愛想がいいのがまた素晴らしい。フロリレジウムも軽やかなアンサンブルでテレマンの音楽の優美さをよく引き出していて、これまでこのブログで取り上げたギエルミアントニーニMAKなどとはまた一味違ったテレマンを聴かせてくれる♪


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▼38616 Florilegium: Telemann's Concertos & Cantata Ihr Völker Hört


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ぺぇたぁ

Author:ぺぇたぁ
“いつも新しい“クラシック音楽の豊かな森を探検するブログ♪埼玉在住・86年生まれの会社員が古楽から現代音楽まで、
名曲・名盤から秘曲までを楽しみます♪動画、ライヴ音源、視聴も。

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